新古典派経済学的アプローチ

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新古典派経済学的アプローチに対して,松原(1990)は効用極大化行動などの前提の非現実性や静態的均衡の枠組みを,さらに,ショート(Short;1978a)は新古典派経済学的アプローチにおけるトレードオフ・モデルの前提条件である職場への近接性は世帯の立地決定にあまり重要ではないことを指摘し,カービー(Kirby;1976)も郊外居住者がかなり広大な余分な土地を買わざるを得ない状況にあることから,郊外に行くほど住宅価格が上昇するメカニズムを重視する必要を主張した。
また,ノックス(1982)は新古典派モデルにおける歴史性の欠如を,現在の住宅市場に過去の遺産が与える影響を見落としていると指摘し,さらに重大な批判点は,新古典派モデルが土地と住宅市場の供給を適切に扱うことに失敗していることであるとした。つまり,「都市の土地と住宅の供給は国内や国際経済の影響,計画規制や財政のコントロール,保護主義者や借家人組合などの特殊な利益グループの干渉,住宅協会の管理者・不動産業者・開発業者のような重要な専門家・権力保持者などのさまざまな要因によって制約を受けている」ため,複合的な要素に対する考慮を欠いていると指摘した。
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しかしながら,新古典派経済学的アプローチは,地価をもとにマクロな視点から都市の住宅問題のうちのとくに住宅の需給をとらえる点においては有効な手段であり,住宅需給に関する不完全な把握は新古典派経済学的アプローチのみによらず,上記のように新たに制度的枠組みやゲートキーパーである不動産業者の役割をも考慮した分析を併用することにより,さらに説明力をもったものとなると思われる。

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